良かれと思って身体に悪いことしていませんか?~骨盤ベルト編~




ひと昔前ですと骨盤ベルトや骨盤サポーターというと、腰を痛めたとき、ぎっくり腰をしてしまった時などに整形外科や接骨院で出されるものでしたが、今は骨盤を整えるためや腰痛予防、さらには女性の美に繋がるものとして一般的にも広まってきているように思います。その他にも、産後のお母さんは今ではほとんどの方持っているのではないでしょうか?

腰にかかる負担が軽減する、腰痛を緩和させてくれる、ダイエットになる、骨盤を締めることでキレイになる、骨盤矯正になる、と言ったら腰に不安のある方だけでなく、女性ならどなたでも着用したい!と思ってしまいますよね?
実際はどうでしょう?

効果や変化も分からず、付けていると身体に良いはず!
美容効果の変化はいつか感じられるはず!と期待込みで着用していませんか?
一般的に骨盤というと皆さんは図Aの骨盤の状態を頭に思い浮かべていらっしゃると思います。いわゆる模型や画像などで見たことがある状態は筋肉や骨格のバランスが取れている状態のものになります。まず、この図Aの状態の方はほぼいません。人の身体には何かしら必ず補正が働いています。少し分かりやすいように書きましたが、図Bのように歪んで傾いて固まっている状態が、補正が働いている骨盤の状態です。

つまり骨盤ベルトを巻いている皆さんは図Bのような状態で巻いてしまっているのです。
歪んで傾いて固まっている骨盤をさらに骨盤ベルトで締めた身体は、より補正を働かせ、筋肉や関節の可動性を固めていきます。補正によって固まった筋肉や関節周りの循環はどんどん悪くなっていき、身体にとって良いことはありません。

骨盤ベルト着用は身体にどういう影響があるかを無視し症状だけで考えてみると、身体が元気な状態であれば、腰痛持ちの方は骨盤ベルトによって、より補正することで腰痛などはカバーされるかもしれません。ですが、風邪を引いてしまったり、体力(免疫力や耐性力または治癒力といった面の体力)が落ちた時、筋肉が腰を補正していられなくなると、よりひどい症状を引き起こしてしまい、治りも悪くなりますのでご注意ください。
美容に関しても、図Bの状態を固めているわけですので、骨盤周りが引き締まったように見えても、骨盤を歪ませている身体の原因が変わったわけではありません。結果としてむくんでいたり、たるんでいたものも結局変わっているわけではないので、あまり意味は無いと思います。それでも骨盤ベルトを着けていると違うから着けている時だけでも引き締まるなら着用していたい!と思う方もいらっしゃるとは思いますが、引き締められて押し出されたものが本来の原因の場所によりストレスになってしまったら、いつか反動が出てきます。

良かれと思ってやっていたことで身体を壊していては元も子もないです。

当院ではなぜそういう身体の状態になってしまったのか…、本来の原因へアプローチしていきます。骨盤が補正せずに図Aのようにバランス良く筋肉・骨格がなっていれば、上記で話してきた問題は自分の身体の中で解決していけるようになります。図Aの状態で、力仕事などで腰に負担がかかる仕事や家事をするときは、骨盤ベルトをして腰への負担を軽減させるというのでしたら良いと思います。美容目的に関しては、整ったものを締めていると循環・代謝を悪くさせますのでご注意ください。骨盤を締めていることがストレスになってきて、身体に何らかの影響が出てくることが考えられます。
結論…まずは物に頼る前に自分の身体の状態をしっかり整えておきましょう!



【補足として】
※原因と結果のお話…それは骨盤の歪みに対しても同じことです。骨盤の歪みも原因があっての結果です。
骨盤が歪んでいるからと骨盤矯正するという施術は、それも結果として歪んでいる骨盤を扱っているにすぎません。骨盤矯正やってます!は結局新たな補正を作っているかもしれませんね。